折りたたみ自転車の常識を一変させたBD-1

BD-1 の生みの親、ハイコ・ミューラーとマーカス・リーズは、ドイツの名門ダルムシュタット工科大学で 出会った。乗り手として自転車ライフを楽しんでいた 1992 年のある日、マーカスがハイコに見せた、 一風変わった自転車の厚紙模型。この模型をもとに2 人で作り上げたプロトタイプこそ、「世界で最初のBD-1」だった。このプロトタイプは寄せ集めの部品から構成され、外観こそ洗練されていなかったものの、現在と同様の折りたたみ機構と前後サスペンションを装備。 つまり、「メインフレームはそのままに車体を折りたたむ」 という画期的なアイディアが既に盛り込まれたいた。このアイディアを思いついたきっかけについて、マーカスは「どこにでも持って行けて、どんな場所でもすぐ に乗れる自転車が欲しかった」からだと語る。
翌1993年には細部をブラッシュアップした試作車が 完成、欧州最大の自転車ショー「ユーロバイクショー」に出展、高い評価を獲得。そして1995 年、ついに製品版のBD-1が発売された。

小さなタイヤを持つ"スポーツバイク"

BD-1誕生以前にも折りたたみ自転車はたくさんあった。しかし、「"本当に乗って楽しい"自転車はなかった」とマーカスは語る。二人が目指したのは「小さく折りたためて且つスポーティにも走れる」バイクだったからだ。 このコンセプトを最も特徴づけるのが、BD-1 の革新的な折りたたみ機構。 メインフレームを折りたたまないことにより、ペダリングパワーをそのまま受け止める高い剛性を確保。そしてトップチューブやハンドルポスト、シートポストの角度を調整することで、スポーツ走行に最適な前傾姿勢を楽にとることができる。 さらに、前後サスペンションにより快適性も確保するなど、街乗りからロングライドまでこなす「懐の深い」バイクに仕上がっている。
ペダルを回した分だけしっかりと前に進む、一度乗れば誰もが実感できるスポーティな走り。そこにはマーカスとハイコ、2 人の自転車にかける情熱が息づいている。

BD-1 歴代モデル