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ユーザーに大事にされるプロダクト 100%想いどおりのデザインを求めて |
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鈴木潤: まずはじめに、タルタルーガの歴史、世に出るきっかけについてお伺いしたいんですが。
吉松尚孝氏: もともとビデオゲーム機メーカー((株)ナムコ)で業務用アミューズメントマシンを手がけていたんですが、ゲームセンターの機械っていうのは個人の所有物じゃないんですよね。誰の所有物か全然分からない。ほぼ公共物のような、不特定多数が遊ぶものですよね。だから全然大事にされない。そのことがデザイナーとして凄く嫌だったんです。それに比べていわゆるコンシューマー商品というものは皆さん大事にする。クルマとか。洗車してきれいにして・・・。そういうユーザーが自分の所有物として愛情を注いでくれるものを作りたいと思ったんです。その想いがまず会社でプロジェクトを立ち上げるきっかけになりました。そのプロジェクトの第一弾がまずキックボード(
2000年11月発売)。
鈴木: いわゆる乗り物第一弾だったんですよね?ナムコとして。で、第二弾として「タルタルーガ」。「タルタルーガ」っていう名前はもう付いていたんですか?
吉松: いやまだです。そのときには「リッジレーサーインセクト」という名前でした。でもポシャって。
鈴木: でも、行くところまでいってたんですよね。当時プロトタイプ見せてもらったのが5年くらい前でしたっけ?
吉松: あれは2000年ですね。2000年の東京国際サイクルショーの前です。
鈴木: いきなり「(塗装するので)バラしてください。」ってうちに来たのが最初ですよね。タイヤも16インチでスポークの数も今より少なかったなぁ。あそこまでいったけどポシャってしまって。。
吉松: 自分でやるしかないなと。
鈴木: 独立してやりはじめたわけですね。
吉松: 独立にあたっては「タルタルーガ」を世に出すという目的ももちろんありましたがどちらかというと当時はサブ的でした。でメインとなるデザイン事務所の本来の仕事というのはあくまでもクライアントに対しての仕事な訳です。例えば発注された案件に対してデザイン案をA案B案C案と3案提出します。もちろんデザイナーとしては3案のうちどれを選んでいただいてもかまわないんですが、それでもやっぱりA案が一番いいなとか心の中ではあるわけですよね。でも、現実にはクライアントさんが「B案がいい。」といえばそれで決まってしまう訳です。でフラストレーションが溜まってしまうと(笑)。そこでデザイナーとして100%思いどおりに表現して形にできるオリジナルプロダクトが僕には重要になってくるんですね。

鈴木: なるほど、プロダクトデザイナー吉松尚孝氏の精神衛生上の必然でもあったと(笑)。
吉松: そうですね、こういう性格ですから、それがないと切れちゃいます(笑)。
鈴木: そういう意味では「タルタルーガ」には確かにデザイナー吉松尚孝のイズムのようなものを僕は強く感じますね。具体的にいうと例えば、大量生産はせず、品質に拘りながらブランドを育てている点。生産のたびに必ず自らパシフィック社の工場に立ち会いチェックを心がけていますよね。うちが組んだ時にも必ずっていう程「どうでした?」って聞いてきますし。純粋にデザイナーとしての欲求に忠実に行動されているのかもしれませんが、いわゆる業界の常識からいい意味で外れている。パーツセレクトについてもただ単純に街乗りで快適に気持ちよく乗れることを考え必要以上なオーバースペックによる価格アップは抑えている点も私は高く評価しています。
吉松: そういっていただけると光栄ですね(笑)。
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