1970年、イギリス、ケンブリッジ大学を卒業後、コンピュータソフトや造園設などを手掛けていたアンドリューリッチー氏は、ある日、ふと出かけた際に、街で見かけた折畳み自転車にとても興味を持った。彼は"自分だったらもっと素晴らしい折りたたみ自転車が作れて、
それをもっと多くの人により楽しんでもらえるんじゃないか・・・"
とその時考えた。そしてその日を境に、そんな彼の理想を具現化すべく、ロンドン市街にある「ブロンプトン通り」を見下ろす一室から彼の挑戦が始まったのです。

彼が最もこだわった事、それは自転車として必要な走行性能に妥協せず、いかに簡単に折りたためるかはもちろんのこと、折りたたんでも機能的であり続けるということ。
そして数々の試作車を経て1986年に30台の試作車が生まれた。
「Ease of Use=高性能折り畳み自転車の楽しさを気軽に」
彼の求めていた自転車は完成しました。
そして、その名前は、アンドリューリッチーが生まれ育った町、ロンドン市内のブロンプトン・ビレッジから「ブロンプトン」と命名されました。

そんな完成された独創的なアイデアがふんだんに盛り込まれた彼の自転車は1995年、英国王室から優れた国内製品にのみ与えられるQUEENS AWARDを獲得し、
また、2009年には、ロンドンのバッキンガム宮殿においてフィリップ殿下よりデザイナーズ賞を贈られました。アンドリューリッチーのデザインしたブロンプトンが20年以上にわたりイギリス産業界へ顕著に貢献してきたことが認められての受賞でした。

現在もイギリスの工場で職人達の手により、ハンドメイドで作れているBROMPTON、昔と変わらない彼の情熱は、現在も彼らの自転車作りに脈々と息づいている。